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 <<第6講>>鉛直線偏差
地表鉛直線偏差・天文鉛直線偏差
前号でも述べましたように、セオドライトの鉛直軸の方向と楕円体の法線方向は僅かに異なります。この差は、鉛直線偏差と呼ばれているものです。地表で測られる角の観測値を楕円体法線に化成する場合、地表上の鉛直線偏差が必要になります。天文測量は地表で測られるので、天文鉛直線偏差が、地表鉛直線偏差といえます。下図の左上参照。
下図は、戦後半世紀にわたって国土地理院が行った約450点の天文測量の結果から求めた天文鉛直線偏差です(中根,2001)。緯度方向5′経度方向7.5′の格子点上の値です。
鉛直線偏差は、日本のジオイド2000の傾きでもあります。この場合の鉛直線偏差はジオイド上のもので、地表上の鉛直線偏差ではありません。ジオイド鉛直線偏差と地表(天文)鉛直線偏差は異なったものなのです。
地表鉛直線偏差とジオイド鉛直線偏差の差
地表(天文)鉛直線偏差とジオイド鉛直線偏差の差が10″を超える地域を下図に示してあります(中根,2002)。北海道の日高山脈と南アルプス地域で10″を超える値が見られます。平地ではその差は大きくなく、平地で実施することが多い公共測量では、国土地理院が提供するジオイド2000のジオイド高をから求めたジオイド鉛直線偏差を使っても問題がないことになります。
日本の基準点測量では鉛直線偏差の影響が無視されています。電子計算機が発達した現在、ほとんど計算者の負担なしに、日本のジオイド2000を使って鉛直線偏差の処理ができます。日本はGDP世界第2位の大国です。大国にふさわしく、欧米など先進国並の処理をしたいものですね。
参考文献
中根勝見(2001):統合網平均の考察−鉛直線偏差の決定−,測地学会誌47,pp.719-726.
中根勝見(2002):日本の鉛直線偏差2000,写真とリモートセンシング,Vol.41,No5,pp.15-19.

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