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 <<第2講>>水準楕円体
前回は、古典的な楕円体に関する基礎的な考察を行いました。
今回第2講では、最近の楕円体の扱いである「水準楕円体(level ellipsoid)」について考察してみます。
水準楕円体
例えば、ベッセル楕円体は、長半径aと扁平率f(または短半径)の2つの幾何定数をもっています。こうした楕円体は、幾何学的楕円体を表していますが、地球の物理的性質を表しているわけではありません。
上記の2つの幾何定数に、地球の総質量 M と自転角速度 ω の2つを加えた4つの定数で、地球の形と大きさを表します。この場合の楕円体の表面は、等ポテンシャル面を形成しています。例えば、「GRS 80」及び「 WGS 84」楕円体は、4つの定数で定義され、これらの楕円体面は等ポテンシャル面を形成しています。
改正測量法に伴いGRS 80楕円体が採用されました。
現在は当然にして、次に述べます楕円補正の式として、GRS 80が定めた物理定数に基づく正規重力式が使われていると思います。
水準測量と楕円補正
測量で使う高さは、“平均海面からの幾何学的長さ”で定義されます。“幾何学高”と呼んでもよいかもしれません。
図は、2点P1とP2における標高Hと平均重力gを表しています。P1点から静水面に沿った、P2までの水準測量による水準比高は、“ゼロ”になります。
そのままでは、H1=H2になるので、P2の標高H2は、次のような補正凾gが必要になります。
  H2=H1+凾g
2点の位置のエネルギーは等しいので、次式が成り立ちます。
  H1g1=H2g2
ここで重力としては、Helmertが1884 年に定めた次式が採用されたといわれています。ただし、φは緯度です。
  gφ=978.0(1+0.00531sin2φ )
これらの式を整理して、次の楕円補正の式を得ました。
  凾g=−5.31H(φ2−φ1)sin (φ1+φ2)
ここで使われた標準重力式は、ベッセル幾何楕円体とは全く無関係でした。GRS 80楕円体のように正規重力と地球楕円体が関係づけられていなかったのです。
なお、1975年から上式の定数が−5.29に変更されましたが、筆者が調べたかぎり、元になった重力式は不明です。

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