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 <<第19講>>3次元網平均計算結果の標準偏差
前回は、多角測量の精度管理及びχ 検定についてのべました。今回はGPS測量における3次元網平均計算結果の標準偏差の精度管理について考察してみたいと思います。
標準偏差の意味は?
地理院が公表している「基準点測量作業規程:記載要領GPS版」及びHPにある計算例集などに示されているGPS観測の「単位重量当たりの標準偏差」を調べ表にしました。結果を下表に示しましたが、そこに示された標準偏差(0.68、8.96、288.46、12417 )の意味は何を意味しているのでしょうか。
GPS測量の処理は、標準正規分布n(0,1)を仮定しているので、ここで示された標準偏差が表の最左欄「0.68」のように「1」に近い方が整合がよいのです。最右欄に示された「112417」は不整合がはなはだしい結果ということになります。
表 GPS測量の精度管理
  例1 例2 例3 例4
重量 固定 固定 共分散 共分散
既知点数:mg
未知点数:mu
基線ベクトル数:n
自由度:3(n−mg) 12
標準偏差:σ 0.68 8.96 5.66 45.49
検定統計量:v tPv 5.53 721.91 288.46 12417
98%信頼区間 3.6−2.6 2.1−21.7 2.1−21.7 0.9−16.8
結果 採択 棄却 棄却 棄却
不整合の原因として、次のことがあげられます。
(1)重量が適切でない場合
(2)既知点座標が悪い場合
(3)観測値が悪い場合
例1の場合、「固定重量(基線ベクトルの水平方向の標準偏差4mm、高さ方向の標準偏差7mm)」を使った「1点固定」の仮定三次元網平均結果です。
例2の場合、「固定重量」ですが「3点固定」の処理であり、既知点座標の不整合のため、標準偏差が1からかけ離れているのです。
例3の場合、「1点固定」ですが、重量として基線解析から得られた「分散共分散」を使っています。「分散共分散」から得られる基線ベクトルの標準偏差は「1mm」程度で固定重量に比べ小さく、適切な値の重量でないため、1からかけ離れた標準偏差となります。
例4の場合は、重量及び既知点の相乗作用で、標準偏差は1から異常に大きく離れた結果となります。
χ 検定
GPS測量の場合、標準正規分布n(0,1)を仮定した処理になっていますので、事前の基準分散はで与えられています。事後の基準分散は次式で示されます。
事前に与えられた基準分散と事後基準分散が等しくなる次の仮説Hを調べます。
検定統計量を信頼度98%で検定する場合、χ分布表から信頼区間を求めます。引数は自由度になり、表に示す結果を得ます。
例1の場合、検定量v TPv=5.53 は98%の信頼区間3.6-26.2の範囲内に落ちますので仮説が採択されます。他の3つの場合は、検定量は信頼区間内に落ちませんので、仮説は棄却されます。棄却の原因は前述しましたように、「既知点座標の不整合」及び「観測値の重量の不適切」のためです。
GPS測量の3次元網平均計算結果の精度管理は、χ検定が使われるべきでしょう。
参考文献
中根勝見(2001)、測量データの3次元処理、東洋書店

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