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 <<第13講>>分散と標準偏差
2004年度は、「鉛直線偏差」をキーワードとしたお話をさせていただきました。日本の測量において、鉛直線偏差が全く無視されていることがお分かりいただけたことと思います。今年度は「測量誤差」に関したお話をさせていただきます。本年度もアイサンテクノロジー(株)をよろしくお願い申し上げます。
分散と標準偏差
確率変数 としたとき、分散σ2 は次式で定義されています。ただし、 [・]は期待値で、E(X)=μです。
(1)
分散の平方根の正値σが標準偏差と定義されます。標準偏差に“±”をつけている場合がありますがこれは定義にないことです。上記の式はガウスの記号では次式であらわされています。ただし、ε=x−μ (i=1,2,3・・・n)、観測値 は互いに独立の場合です。
(2)
μが未知のときの分散
Xi の平均値として、μ の代わりに標本平均を使います。証明は省略しますが、次式を導けます。
(3)
次に、この式の期待値を求め次式を得ます。
(4)
(1)式の定義により、右辺第1項はnσ2 及び第2項はσ2 になります。従って、上式は、(n−1)σ2になります。
偏りのない分散
ところで、母集団の未知母数θ の推定量を とし
E(T)θ (5)
が成り立つとき、θ の不偏推定量と定義されます。いま、次式の期待値を求めます。
(6)
結果は次式に示すように、2 の期待値は、σ2 となりますので の分散の不偏推定量になります。
従いまして、母平均μ が未知で、その代わりに の標本平均値 を使ったときの偏りのない分散は、2 の式であらわされます。
上記の2 の式はガウスの記号を使えば、次式になります。ただし、 です。
(7)
平面三角の内角の和は180°になりますので、母平均μ=180°として扱えます。同様に、水準測量の往復差の場合はμ=0として扱えます。こうした特別な場合を除けば、ほとんどの場合が標本平均値を使いますので、不偏推定量である偏りのない分散は、(7)式になります。ただし、一般的には、観測値の数n及び未知数の数mとすれば、(7)式の分母を(n−m)としたものが、偏りのない分散になります。

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